2020年7月20日月曜日

植物とわたし

小さいころから、鎌倉に住んでいた。
親の仕事にともなって、世界各地(主に西ドイツとスコットランド)にいた。
父の転勤で、国立の丘陵の上に20年ほど住んだ。
どこも、自然が豊かで、庭に花を植えていた。
大学生のころから、都心に住んでいる。家族全員の通勤通学の条件から、新宿にほど近いマンション暮らし。
結婚して、都心にマンションを買った。良い場所だが、所詮、都心である。庭はない。
父の定年が近くなって、鎌倉の家を建て替えた。
良い家と庭ができた。
留学から戻った契機で、横浜の仕事が週1回。
ほどよいので、この1日は鎌倉から通った。
庭を造った。念願の、薔薇が咲く宿根草の庭。
以来、両親は鎌倉の家にいた。父はここで病を得て、海に近いホスピスで亡くなった。
たくさんの植物を試した。ヨーロッパの庭と同じような感じにしたくて。
しかし!ここは日本。高温多湿。しかも海が近い。冬は乾燥する。
試行錯誤10年、はたと気づく。
近くのお寺で元気な植物は、きっと大丈夫。
そして、母も年を取り、わたしも年を取り、重労働ができなくなった。
今や、ローメンテナンスガーデン、という触れ込みの、手抜きの庭。
ですが、よく咲きます。太陽と、雨と風があれば、植物は元気です。



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