ノクターン第8番 Op.27-2 CT115 変ニ長調
Chopin, Frederic:Nocturnes Nocturne No.8 Des-Dur Op.27-2 CT115
ショパンのノクターンを弾きなおそう、というのは、演奏再開後初期の大きな目標でした。若いころには弾ききれなかったあれやこれや(表現力的な)、があったから、です。大きな作品群を弾くときにも必ず必要になるショパン的な要素を学ぶには最適。ノクターンを夜想曲と訳したのは、どなたなのか、素晴らしいセンスだと思う。
弾きなおした順は、9、10、11、12、7、8、15、16、17、18、13、14、3、5でした。
さて。そのノクターンの中から、私の大好きな第8番です。
変ニ長調、幸せ感のある調です。
8/6拍子、左手はずっと16分音符の6連符で波を作ります。2拍子系だと思って弾くと推進力がでます。最初の2音を少し早く、あとはゆったり、音量は3音目より後ろが大きくならないように。
右手はそれに乗ってメロディーを奏でます。1回目はシンプルに。第2主題からは重音になり、広がりを作る。Con forzaはひとつの頂点ですが、まだ前半ですから、決してたたくような音を出さないで丁寧に。第2部、第1主題の回帰からは、右手に多彩な技巧がでてきます。軽やかに、夢見るように。回想のような部分にしてみてください。弾きにくければ左手のテンポをそれなりに落としたりしてみてください。
第3部はTempo 1から再び第1主題です。大きく、雄大に歌ってください。途中、右手にちいさな技巧がちりばめられた宝石のような部分があります。タッチはハーフ以下にして、ペダルを上手に使って、曇らないように弾きたいところ。
Con forzaから、appassionataは、あらん限りの情熱を、しかし、決して押しつけがましくならないように。
A tempoからはfinaleです、波が押しては戻るように、右に二つの波がでてきます。ゆるやかにテンポルバートで表現してください。静かに、静かに幕を閉じます。わたしは、ここはいつも、あなたにあえて良かった、また会いましょうね、と思って弾きます。でも、次の約束はありません。
大切にしたい音は、左手バスのルート音=6連符の頭、と、内声で変化するところ。左手の3音目にアクセント記号などは重要です。右手が華やかに動くので気を取られますが、左手だけで充分に歌えるようにするとよいと思います。これは、ショパンに限らず、かなりの曲についても言えることかと思います。
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