「うまく調律されたクラヴィーア(Das Wohltemperirte Clavier)、あるいは、長三度つまりドレミ、短三度つまりレミファにかかわるすべての全音と半音を用いたプレリュードとフーガ。音楽を学ぶ意欲のある若者たちの役に立つように、また、この勉強にすでに熟達した人たちには、格別の時のすさびになるように。元アンハルト=ケーテン宮廷楽長兼室内楽団監督、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが起草、完成。1722年。」
バッハは、平均律第一巻の冒頭に、このような記載をしている。
旧約聖書といわれ、だれもが必ず弾くものだろうけれども、何度上っても滑落する美しい山のようで、リセットのとき、練習を始めるとき、練習を終えるとき、取り出して弾くようにしている。そして練習を終われずに夜が更ける。はたしてこれもまた、時のすさび、というのだろうか。
わたくしにとってはぼちぼち4周目ぐらいの平均律であるが、何度通った道でも、迷い、戻り、時に足を取られころぶ。近頃はドライアイと調節障害との闘いである。脳トレ、イメトレ、拘縮予防、フレイル対策、なんとでも呼ぶがよい。とにかく平均律を引いている限り、ボケることはない。
今は、様々な版があり、勉強もしやすくなった。
使っている楽譜は
ヘンレ版運指なし
ヘンレ版:シフ運指つき
ムジカブダペスト版:バルトークによる解釈版
ベーレンライター版:
主に運指なしのヘンレで自分のものを作るようにしている。
運指については、手の都合もあるからあまり参考にしていない。すべての楽曲において、大きな白人男性の運指は役に立たない。自分の耳を信じることだ。
ムジカブダペスト版は、バルトークによる解釈版で、彼いわく、の、難易度順になっている。アーティキュレーションなど、かなりわかりやすいので、最近は参考にすることが多い。そして、孤軍奮闘ですごく苦労したあとに、あっけなく弾けたりして、悔しい思いをする。バルトークすごい。
さて。愚痴はともかく、各曲の記録をしておこうと思い、この項を書き始めた。
2年前からの演奏順は
第一巻
4,7,8,12,15,19,20,23,2,3,6,9,13,21,10,11,14,17,18,5,1,16,24
2023年1月現在22番チャレンジ中。
今後各曲の記載を試みます。